2026年8月27日付の朝日新聞デジタルは、自由診療のがん治療をめぐる裁判で、医師の説明義務違反が認められた事例を報じています。東京地裁は、担当医師の説明が不十分だったとして、クリニックを運営する医療法人社団に約75万円の賠償を命じました。
「あらゆるがんに有効」と説明 医師の義務違反を認め賠償命じる判決:朝日新聞
原告の女性は2017年に乳がんと診断され、抗がん剤治療を受けたものの副作用が強く、2023年に治療を中止
その後、東京都内のクリニックで 「ANK免疫細胞療法」 について相談
医師から 「あらゆるがんに有効」 といった説明を受け、治療を開始
しかし治療後にがんの転移が判明し、説明が不十分だったとして訴訟を提起
判決では、以下の点が問題とされたと報じられています。
ANK療法の乳がんへの有効性について、医学的裏付けが低いにもかかわらず、治療効果を誤認させる説明が行われた
効かない場合があることなど、治療の限界について十分な説明がなかった
ANK療法と併せて受けた別の治療については、女性には効果が見込めず、正しい説明があれば受けなかったと判断
この治療の費用およびANK療法についての説明不足による慰謝料の賠償が命じられた
ANK療法の普及に取り組み、医療法人と提携していた企業については、「医師が誤解を与える説明をするとは予見できない」として、責任は認められませんでした。
今回の判決は、自由診療のがん治療を受ける際、「効果の強調だけでなく、限界や根拠を含めた説明が不可欠である」という点を示しています。
患者や家族としては、
効果を断定する説明があった場合は慎重に受け止める
標準治療との違いや根拠の有無を確認する
自分の病状に合う治療かどうかを確かめる
といった点が重要であることを、今回の事例は改めて示しています。
【追記】
「うちは完治専門」医師の言葉信じ“がん患者”が440万円自由診療受け転移…裁判所は“説明義務違反”認めたが賠償額75万円、原告「納得できない」(弁護士JPニュース) - Yahoo!ニュース
(2026.08.29)