2月13日、国立がん研究センターは、がんと診断された日からの経過日数を起点に、そこからの5年間を生きる確率を示す「サバイバー5年生存率」を初めて集計したと発表しました。
国がん サバイバー5年生存率を初集計 多くの進行期のがん、1年生存するほど5年生存率が改善 | ニュース | ミクスOnline
一般的に治療により根治が期待できるステージI・IIのがんでは、多くのがん種でサバイバー5年生存率はほぼ横ばいとなりましたが、ステージIII・IVの進行期のがんでは、ほとんどの場合、長期生存するほど、そこから5年間の生存率は改善傾向を示しました。
膵臓がんについては、 下記グラフのとおり、ステージIは比較的緩やかな上昇傾向ですが、ステージⅡ~Ⅳについては、長期生存するほど「次の5年間の生存率」は大きく改善傾向を示しています。 例えば、ステージIII期では、診断日から診断5年後までの5年生存率は4.7%ですが、診断後1年生存した患者を対象とした診断1年後から診断6年後までの5年生存率は7.2%、さらに診断2年後から診断7年後までの5年生存率は16.6%となり、長期生存するほど「次の5年間の生存率」が上がっています。
今回のデータは2012年診断例によるものですので、最近診断された方の生存率は一層改善していると思われます。いずれにしても、他のがん種と比較すると厳しい数値ではありますが、長期生存するほど生存率は着実に上がりますので、希望をもって治療に取り組んでいただきたいと思います。
なお、院内がん登録2013-2014年5年生存率集計の際に、特別集計として公表された「サバイバー1年生存率」は、経過年数ごとにそこから1年後の生存率を計算しています。今回の特別集計では経過年数ごとにそこから5年後の生存率を計算しており、比較はできないことに留意してください。
このたびの詳しい統計をご覧になりたい方は、こちらをご参照願います。
(2025.02.13)