富山大学病院、長時間手術の交代制導入で若手医師育成と働き方改革を両立
富山大学病院、長時間手術の交代制導入で若手医師育成と働き方改革を両立
これまでも当サイトでは、富山大学附属病院が取り組む先進的な医療体制や人材育成の工夫について紹介してきました。今回、新たに注目されたのは、長時間に及ぶ外科手術において複数の医師が交代で執刀するという、全国的にも異例の働き方改革です。
長時間の手術は交代制…若手医師の育成“オンオフ明確化”富山大 異例の働き方改革(テレビ朝日系(ANN)) - Yahoo!ニュース
富山大学病院では、平均8時間にも及ぶ膵臓がんの手術を、若手医師を含む複数の外科医が段階的に分担。開腹から摘出、再建までの工程を3人の医師がリレー形式で担当することで、体力や集中力の維持を図るとともに、若手医師が実践的な経験を積める環境を整えています。
この取り組みは、医師の過重労働が問題視される中で、持続可能な医療体制の構築を目指すもの。特に消化器外科領域では、医師不足が深刻化しており、若手医師の育成と定着は喫緊の課題です。
富山大学第二外科では、完全シフト制を導入し、勤務時間外の呼び出しを原則廃止。オン・オフのメリハリを明確にすることで、医師のライフスタイルに配慮した柔軟な勤務体制を実現しています。これにより、育児や家庭との両立が可能となり、医師のキャリア継続にも寄与しています。
将来的な外科医不足が社会問題となる中、富山大学病院のこの取り組みは、医療現場の持続可能性を高める一つのモデルケースとして、今後の全国的な展開にも期待が寄せられます。
(2025.11.01)