術後早期再発の膵臓がんに対する治療選択:GnP療法がFOLFIRINOXを上回る可能性も
術後早期再発の膵臓がんに対する治療選択:GnP療法がFOLFIRINOXを上回る可能性も
膵臓がんの手術後には、再発予防を目的としてS-1による術後補助化学療法を6か月間実施するのが一般的です。しかし残念ながら、その治療を終えて間もなく再発してしまうケースも少なくありません。
今回、S-1の最終投与から6か月以内に再発した膵臓がん患者を対象に、2つの抗がん剤治療法――FOLFIRINOX療法とゲムシタビン+ナブパクリタキセル(GnP)療法――の有効性を比較した研究結果が示され、GnP療法がFOLFIRINOX療法よりも術後早期再発例において有効である可能性が示唆されました。
術後S-1療法後の再発膵臓がんに対するFOLFIRINOXとゲムシタビン+ナブパクリタキセルの転帰の比較 | がん情報サイト「オンコロ」
S-1は、FOLFIRINOX療法に含まれる5-FU(フルオロウラシル)と同系統の薬剤であるため、S-1治療後にFOLFIRINOXを用いた場合、薬剤耐性などの影響が出る可能性も考えられます。そうした背景を踏まえると、今回の結果はある意味「当然」と言えるかもしれません。
とはいえ、FOLFIRINOX療法に含まれるオキサリプラチンについては、以前から当サイトでもお伝えしているように、特定の遺伝子変異を持つ患者には著効する可能性があります。そのため、統計的な傾向だけで一律にGnP療法を選択するのではなく、個々の患者の遺伝子背景や体力、副作用リスクなどを考慮した治療選択が重要です。
(2025.09.20)