11月8日「遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)を考える日」制定
ー HBOCと膵臓がんの関係性 ー
11月8日「遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)を考える日」制定
ー HBOCと膵臓がんの関係性 ー
昨日11月21日は「世界膵臓がんデー」。今月は膵臓がん月間となっています。
膵臓がんにはご縁が深い11月ですが、今年から11月8日が「遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)を考える日」に制定されました!
11月8日「遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)を考える日」制定記念イベント 条件満たせばHBOC診断の遺伝子検査・治療に保険適用 | くらし | 株式会社 共同通信社
「遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)」と膵臓がんにはどんな関係があるのか?
実は、BRCA1/2遺伝子に変異がありHBOCと診断されると、乳がんや卵巣がんだけではなく、膵臓がんや前立腺がんになるリスクが高まることが報告されています。HBOCと診断された方が、がんにかかった場合にはプラチナ系抗がん剤の効果が期待できます。
膵臓がん治療で用いられるプラチナ系抗がん剤といえばフォルフィリノックスが挙げられますが、最近はゲムシタビン・ナブパクリタキセルで一次治療の後、二次治療にオニバイドが選択されるパターンが増えています。しかし、HBOCの方は上記の通りプラチナ系抗がん剤の効果が期待できるため、フォルフィリノックスを試せないことが非常に残念だと思っています。
先日の集いでも、「膵臓がんと遺伝子の関係」をテーマにご講演をいただき、HBOCについても取り上げられています。
(講演動画URL:https://www.youtube.com/watch?v=t3iT9U_Z7z8 )
遺伝子を調べる検査というと、「遺伝子パネル検査」が頭に浮かびます。でも、この検査は標準治療終了見込み(一般的に二次治療に入った段階)でないと保険適用にはなりませんので、二次治療の選択には間に合いません。
しかしながら、BRCA1/2遺伝子変異を調べる検査は、PARP阻害剤(オラパリブ)の膵癌患者への適応を判定するためのコンパニオン診断として保険適用になっています。一次治療中でも受けられますので、検討してはいかがでしょうか?
【参考URL】
膵癌治療戦略を考える: BRCA1/2遺伝子検査が果たす役割 | ミリアド・ジェネティクス(ミリアド・ジェネティクス合同会社)
正しく知りたい!遺伝性乳がん卵巣がん (ミリアド・ジェネティクス合同会社)
遺伝性乳がん卵巣がんを知ろう!(一般社団法人 日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構)
(2024.11.22)