令和8(2026)年5月29日から6月2日にかけて 米国シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO 2026)では、ダラクソンラシブの発表が大きな話題となりました。
しかし、膵臓がん領域ではこれ以外にも重要な研究成果が多数報告されています。ここでは、「がんナビ」が紹介した主要トピックをまとめてご紹介します。
新しいMEK阻害薬 atebimetinib を、mGnP(ナブパクリタキセル+ゲムシタビン)と併用した初期治療の試験結果が報告されました。 安全性は良好で、腫瘍縮小などの臨床的な効果も期待できる結果が示されています。 従来治療に新たな選択肢が加わる可能性がある点で注目されています。
未治療の局所進行/転移性膵管腺癌で新規MEK阻害薬atebimetinibとmGnPの併用は高い安全性と有望な臨床活性を示す【ASCO 2026】:がんナビ
Claudin18.2 と CD3 を同時に標的とする二重特異性抗体 QLS31905 の初期試験が報告されました。 Claudin18.2陽性の膵癌・胃癌で、腫瘍縮小を含む有望な治療効果が示されています。 分子標的治療の新しい方向性として期待が高まっています。
Claudin18.2陽性の膵癌と胃癌にClaudin18.2とCD3標的の二重特異性抗体QLS31905+化学療法は有望な効果【ASCO 2026】:がんナビ
なお、Claudin18.2を標的とした治療法については、これまで次のようなものもお伝えしているところです。
膵臓がん患者と家族の集い - Claudin18.2標的CAR-T療法
血液検査による多がん種早期検出(MCED)を用いた英国の大規模RCTの結果が報告されました。 ステージIII/IVのがん罹患率を有意に減らす効果は確認されませんでした。 膵臓がんを含む早期発見技術の実用化には、さらなる検証が必要とされています。
米GRAIL社の多がん種早期検出検査によるステージIII/IVがん罹患率の有意な減少は認めず、英国の大規模RCTより【ASCO 2026】:がんナビ
🔎 まとめ
RAS阻害剤であるダラキソンラシブに加えて、MEK阻害薬、二重特異性抗体など、これまで治療選択肢が限られていた膵臓がんに対し、新たなアプローチの研究成果が続々と報告されています。 今後の臨床試験の進展により、患者さんに届く治療の幅が広がることが期待されます。
(2026.06.21)