EPHB4抗原発現固形がんに対するCAR-T細胞療法の医師主導治験開始
EPHB4抗原発現固形がんに対するCAR-T細胞療法の医師主導治験開始
令和7(2025)年5月、国立がん研究センターは、信州大学と京都府立医科大学が開発した、EPHB4抗原を発現する悪性固形がんに対する遺伝子改変T細胞療法(CAR-T細胞療法)の第1相医師主導治験を東病院で開始したと発表しました。
固形がんに対するCAR-T細胞療法の安全性・有効性を評価する医師主導治験を開始—国がん他 | GemMed | データが拓く新時代医療
高額な薬剤として知られるキムリアで有名な「CAR-T細胞療法」は、血液腫瘍には効果が認められていますが、固形がんへの効果は限定的で、世界中で開発が進められています。
今回開始されたCAR-T細胞療法は、膵がんを含む多くの固形腫瘍に発現するEPHB4受容体を標的とし、ウイルスを使わない遺伝子改変技術「ピギーバックトランスポゾン法」を用いて開発されました。研究段階では持続的で高い抗腫瘍効果が示されているとのことです。
この治験は、標準治療がない、または効果がない、もしくは副作用で治療を続けられないEPHB4受容体を発現する固形がん等の患者を対象としており、既に最初の患者への投与が完了しています。
まだ第1相試験であり、対象予定人数も少ないため、受けようと思って受けられる治験ではなく、開発には長期間を要すると思われます。
でも、CAR-T細胞療法は今後に大きな期待が持てる治療法ですので、推移を見守っていきたいと思います。
(2025.05.14)