切除不能進行膵がんに対するWT1標的免疫化学療法──慈恵医大らが新たな治療効果予測バイオマーカーを報告
切除不能進行膵がんに対するWT1標的免疫化学療法──慈恵医大らが新たな治療効果予測バイオマーカーを報告
昨年10月に公表されたWT1標的免疫化学療法に関する研究成果については、当サイトでも次の記事の中でご紹介しているところです。
膵臓がん患者と家族の集い - 個別化ネオアンチゲンワクチン療法の膵臓がんでの治療効果を検証
このたび、より詳細な内容が東京慈恵会医科大学を中心とした研究グループより報告されております。
【慈恵大学】プレスリリース_切除不能進行膵癌に対するWT1標的免疫化学療法における長期生存例に基づいた治療効果予測バイオマーカーの探索的研究.pdf
本研究では、切除不能な進行膵がん患者10名を対象に、WT1を標的とした新規多機能型ペプチド「Neo-WT1」を用いた免疫化学療法の治療効果予測に関する探索的研究を実施。その結果、7名において腫瘍の縮小または安定が認められ、うち4名は5年以上の長期生存を達成したとのことです。さらに、治療効果を予測する複数のバイオマーカーが同定されており、今後の個別化医療への応用が期待されます。
とはいえ、今回の報告は対象人数が少数であり、現時点では十分なエビデンスとは言えません。今後は、この報告の中でも言及されているとおり、比較対象を明確にした大規模な臨床試験や治験を行うことが望まれます。
(2025.08.28)