皆さんはアピアランス(外見)ケアという言葉をご存じでしょうか?
がんやその治療に伴う外見の変化に対し、「医学的・整容的・心理社会的支援を用いて、外見の変化を補完し、外見の変化に起因するがん患者さんの苦痛を軽減するケア」と言われています。
膵臓がんにおいてアピアランスケアが最も必要なのは、抗がん剤による脱毛への対応ではないでしょうか?
特に、アブラキサン+ジェムザールを受けている方は、副作用として高頻度で脱毛が表れます。ジェムザールも軽度の脱毛が起こると言われていますが、アブラキサンについては、ほとんどの方で脱毛が避けられません。
ちなみに、フォルフィリノックスやオニバイドについては、5-FUに軽度の脱毛が起こるとされていますが、相対的に脱毛の程度は軽くなっています。
こうした中、最近は各自治体において、アピアランスケアとしてウィッグ購入費等の補助・助成制度が、ここ数年で急速に拡大しています。本年7月1日からは、埼玉県さいたま市において制度が始まったところです。
制度を実施している自治体は全国的に見ると決して多くはありませんが、東京23区をはじめ、政令指定都市のほとんどで制度化されており、人口カバー率は高いのではないでしょうか。また、県が一括して補助・助成制度を行っているところもあります。
ウィッグ等の購入を検討されている方は、お住まいの自治体にこうした制度があるかを確認してみてください。また、既に購入されている方も対象となる場合がありますので、併せてご確認ください。
(2024.07.14)