HER2陽性の固形がんに対する抗がん剤「エンハーツ」— 日本で適応拡大が承認
HER2陽性の固形がんに対する抗がん剤「エンハーツ」— 日本で適応拡大が承認
✨はじめに
当サイトではこれまでも、抗HER2抗体薬物複合体(ADC)「エンハーツ(一般名:トラスツズマブ デルクステカン)」の動向を紹介してきました。
膵臓がん患者と家族の集い - エンハーツのコンパニオン診断承認
2026年3月、この薬剤が HER2陽性の複数の固形がんに対して新たに適応追加の承認を受けました。
抗悪性腫瘍剤 「エンハーツ」 日本でHER2陽性の複数固形がんに対する適応追加承認取得 第一三共 | 医薬通信社
膵臓がんは一般的にHER2陽性の割合が高くありませんが、一部の患者さんでは HER2 が治療選択肢を広げる鍵となる可能性があります。
🔬エンハーツとは?
• HER2を標的とする抗体に抗がん薬を結合させた「抗体薬物複合体(ADC)」
• がん細胞に選択的に薬剤を届ける仕組みを持ち、従来の抗がん剤より効率的に作用することが期待されている
• 乳がんや胃がんで既に使用されており、今回の承認で複数の固形がんへ対象が拡大
🧬今回の承認内容のポイント
記事によると、今回の適応拡大の対象となる患者さんは以下のとおりです。
• HER2陽性(HER2遺伝子増幅 または IHC 3+)
• 進行・再発の固形がん
• 標準治療が困難な場合
🩸HER2検査の広がり
治療選択を支える検査体制についても、記事では次のように触れられています。
• 血液中のHER2遺伝子増幅を検出するコンパニオン診断薬は既に承認済み
• 腫瘍組織でのHER2過剰発現(IHC 3+)を調べる診断薬も申請予定
膵臓がんでもHER2検査が行われるケースが増えれば、治療選択肢が広がる可能性があります。
🌈膵臓がん患者さんにとっての意味
膵臓がんは治療選択肢が限られることが多い中、今回のニュースは次のような希望につながります。
✔ HER2陽性であれば、新たな治療候補が生まれる可能性
HER2陽性の膵臓がんは少数派ですが、分子標的治療が効く可能性があるサブタイプとして注目されています。
✔ がん種横断型治療の流れが加速
膵臓がんに限らず、遺伝子変化に基づく治療選択が今後さらに進むことが期待されます。
✔ 検査の重要性が高まる
HER2検査を行うことで、これまで見逃されていた治療機会が見つかる可能性があります。
📣おわりに
膵臓がんの治療は日々進歩しています。
今回のエンハーツの適応拡大は、「がん種ではなく、がんの特徴に合わせて治療する」 という新しい時代の流れを象徴する出来事だといえます。
(2026.03.25)