NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形がんに対するオータイロ(一般名:レポトレクチニブ) の承認
NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形がんに対するオータイロ(一般名:レポトレクチニブ) の承認
11月20日、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、チロシンキナーゼ阻害薬「オータイロ(一般名:レポトレクチニブ)」が「NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形がん」に対する臓器横断的な使用で承認を取得したと発表しました。これにより、がんの発生部位にかかわらず、NTRK融合遺伝子が陽性であれば治療対象となる新たな薬剤が加わったことになります。
【承認】オータイロ、NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形がんの治療薬として承認取得 | がん情報サイト「オンコロ」
NTRK融合遺伝子は、がんの発症に関わる遺伝子異常の一つであり、膵臓がんにおける陽性率は1%未満と非常に稀とされています。しかし、希少ながらも治療選択肢が存在することは患者にとって重要です。
これまで同じ適応症に対しては、ラロトレクチニブ(商品名:ヴァイトラックビ)およびエヌトレクチニブ(商品名:ロズリートレク)が承認されており、今回のオータイロの追加承認によって、治療薬の選択肢はさらに広がりました。複数の薬剤が利用可能になることで、患者の状態や副作用の違いに応じた柔軟な治療戦略が可能となります。
臓器横断的な承認は、がん治療の新しい方向性を示すものです。従来は「がんの種類ごと」に薬剤が承認されるのが一般的でしたが、遺伝子異常に基づく治療選択が広がることで、より精密な個別化医療が進展しています。
いずれにしても、対応する薬剤が増えることは望ましいことであり、今後の臨床現場での活用に期待が寄せられています。患者にとっては、希少な遺伝子異常であっても治療の可能性が広がることが大きな希望となると思います。
(2025.11.30)