保険診療でのがん遺伝子パネル検査の登録患者数が10万例に到達
保険診療でのがん遺伝子パネル検査の登録患者数が10万例に到達
近年、がん治療の個別化医療を推進する上で重要な役割を担う「がん遺伝子パネル検査」について、保険診療における登録患者数が10万例に到達しました。
この10万例という数字は、日本人のがんの特徴の理解を深め、新しい医薬品や治療法の開発に貢献することが期待されています。集積されたデータは、診療支援や製薬企業による医薬品開発に活用される見込みです。がん遺伝子パネル検査に登録されたがん種の中でも、膵臓がんは大腸がんに次ぐ検査数です(約15,000名)。
保険診療でのがん遺伝子パネル検査の登録患者数が10万例に到達
今後、がん遺伝子パネル検査はさらに発展し、より多くのがん種や、より早期の段階での活用が期待されていますが、検査結果の適切な解釈や、遺伝カウンセリング体制の充実、検査で遺伝子変異が見つかっても対応する薬剤がない「ドラッグラグ」や「ドラッグロス」の問題など、克服すべき課題も残されています。
今回の10万例到達は、日本のがんゲノム医療が新たなステージに進んだことを示すものであり、今後のさらなる発展と、それによるがん患者さんの予後改善への貢献が期待されます。
(2025.05.15)