光免疫療法の第1回研究会が12月22日に開催され、200人を超す医師や研究者が参加、この治療法についての最新の研究事例が報告されました。現在は頭頚部がんのみが保険適用になっていますが、研究会では、肝臓、膵臓、肺、胆のうなど、他のがんにも適用できないかという可能性について報告があり、がん治療の適用範囲の拡大への期待が高まっているとのことです。
【光免疫療法】期待高まるがん治療の適用範囲の拡大(Wedge(ウェッジ)) - Yahoo!ニュース
研究会の発起人で、この治療法を開発、実用化した小林久隆米国立衛生研究所(NIH)分子イメージング部門主任研究員・関西医科大学附属光免疫医学研究所長は、「この治療法はまだ道半ばで、これから多くの医療機関の協力を得ながら適用範囲を拡大していきたい」と述べたそうです。
膵臓がんの関係では、昨年から「肝転移を有する進行又は再発固形がん」の患者を対象に第Ⅰ相臨床試験が始まっています。
開始当初は大きく報道もされ、患者会の中でも話題となりましたが、その後の情報があまりなく、現在の状況は分かりません。
しかしながら、研究会の中でも、元厚労省医務技監の鈴木康裕・国際医療福祉大学学長が「光免疫療法―パラダイムシフトに向けたロードマップ」と題した特別講演において「光免疫療法は日本で初めての世界に向けて発信できるがん治療法だ。」とされており、今後の進展に期待したいところです。
なお、一部の自由診療のクリニックにおいて行われている光免疫療法は、この治療とは異なりますので十分にご注意ください。
(2024.12.28)