膵がん治療のこれまでの流れと今後 ― 古瀬純司先生が語る新薬と個別化医療
膵がん治療のこれまでの流れと今後 ― 古瀬純司先生が語る新薬と個別化医療
膵がん治療のこれまでの歩みと今後の展望について、神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター総長の古瀬純司先生が執筆された記事が掲載されていました。古瀬先生は薬物療法の第一人者として知られ、長年にわたり臨床試験や新規治療の開発に携わってこられました。
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膵がんは依然として予後不良のがんの一つであり、現在、標準治療としてFOLFIRINOXやゲムシタビン+ナブパクリタキセル併用療法が用いられています。記事にあるとおり、これまでの研究開発の成果により、以前よりは有効な薬剤が増えてきたものの、依然として十分とは言えず、さらなる治療選択肢の拡充が求められています。
そうした中で注目されているのが、リポソーム化イリノテカンを含む多剤併用療法「NALIRIFOX」です。海外ではすでに承認され、国内でも早期の承認が待たれる状況にあります。
古瀬先生は、近年のがん薬物療法はバイオマーカーを用いて効果が期待できる患者集団を対象とした開発が主流となっており、膵がんでも従来の「全体を対象とする治療」から特定の分子異常に焦点を当てた新薬開発へと移行することで、これまでにない高い効果を示す治療の登場に期待したいと結びました。
(2025.10.09)