「白い巨塔」と膵臓がんの関係とは?
「白い巨塔」と膵臓がんの関係とは?
今年は、国民的作家と言われた山崎豊子さんの生誕100周年に当たります。
現在、FNSフジテレビ系列で同氏の代表作である「白い巨塔(2003年制作)」が再放送されていますが、いよいよ明日が最終話。感動のクライマックスを迎えます。
この作品は医療ドラマの名作だけあって、数回リメイクされています。その主人公である「財前教授」の病名の変遷を見ると、その時点での社会状況や医療の発展が見て取れます。
原作小説や1978年制作の田宮二郎主演のときの病名は「胃がん」。当時は部位別の罹患者数・死亡者数とも第1位で、がんと言えば「胃がん」という状況でしたので必然といった感じです。
そして、現在再放送されている2003年の唐沢寿明版では「肺がん」に改変。「胃がん」に代わって当時の死亡者数1位であったことから変更されたものと思われます。
その後、2019年にも岡田准一主演でリメイクされましたが、このときの病名は「膵臓がん」。「肺がん」は免疫チェックポイント阻害薬等が開発されて長期生存される方も多くなってきたこともあってのことなのでしょう。
最近のドラマでは不治の病というと、頻繁に「膵臓がん」が使われており、予防啓発となる側面はあるものの気分のよいものではありません。
もしも同作品が再度リメイクされる際には、医療の進歩により、がんという病名ではリアリティが無くなっていることを願っております。
(2024.11.26)