米FDAがNRG1融合遺伝子陽性膵がん治療薬ゼノクツズマブを迅速承認
米FDAがNRG1融合遺伝子陽性膵がん治療薬ゼノクツズマブを迅速承認
令和6(2024)年12月、米国食品医薬品局 (FDA)は、ゼノクツズマブ(製品名:ビゼングリ )をNRG1(ニューレグリン1)融合遺伝子陽性の進行、切除不能または転移膵がんに対する治療薬等として迅速承認しました。NRG1融合遺伝子陽性の膵がんに対する治療薬は米国初となります。
米FDAが、非小細胞肺がんと膵臓腺がんにzenocutuzumab-zbcoを迅速承認 | がん治療・癌の最新情報リファレンス
NRG1融合遺伝子陽性は、非常に頻度が低いとされています。しかし、この遺伝子変異があると、がんの進行が非常に早く予後が悪いのですが、国際共同治験の結果におけるゼノクツズマブの膵がんでの奏効率は42%(19人中8人に奏効)と高かったことから、期待ができるところです。
この薬については、数年前から「MCLA-128」として臨床試験の結果等を注視してきました。日本でも保険診療の遺伝子パネル検査でNRG1融合遺伝子が検出できれば、治験への参加が可能となっています。でも、保険適用になっている遺伝子パネル検査5種類のうち、「OncoGuide NCCオンコパネル」と「Gen mine TOP がんゲノムプロファイリング」の二つでしか、NRG1融合遺伝子の有無が調べられないというのが課題です。
いずれにしても、遺伝子パネル検査を受けてNRG1融合遺伝子陽性が認められる確率は低いとはいえ、少しでも治療選択肢が増えるのは、膵臓がん患者にとって希望が持てることだと思います。
(2025.01.13)