膵臓がん早期発見のための胃カメラを用いた取組
膵臓がん早期発見のための胃カメラを用いた取組
時を同じくして、胃カメラを用いて膵臓がんの早期発見を目指す取組が発表されました。
一つ目は、九州大学になります。胃カメラでの検査の際に専用のカテーテルで十二指腸液を吸引して採取し、膵臓がんの細胞が作るたんぱく質「S100P」を判定するとのことです。これまでの研究で「S100P」は約8割の患者で一定以上の濃度が確認できており、令和7年度から福岡赤十字病院で実際にこの検査法が導入されるとのことですので、今後に期待したいと思います。
「膵臓がん」胃カメラ検査で早期発見へ…九州大学が世界初の検査法、カテーテルで採取した十二指腸液で判定:地域ニュース : 読売新聞
「膵臓がん」早期発見へ 世界初の新たなスクリーニング法を開発 胃の内視鏡検査の際に十二指腸液を採取し診断 九州大学病院
二つ目は、大阪大学を始めとした他施設での研究になります。こちらも、胃カメラでの検査の際に専用のカテーテルを使うところまでは同じですが、十二指腸乳頭部を洗浄して、その洗浄液を回収し、膵臓がん患者の多くに発現するKRAS遺伝子の変異量を測定して判定するというものです。まだ実際の検査を行う具体的な計画はないようですが、多くの大学や病院が参加している研究ですので、期待が持てると思います。
【プレスリリース情報】胃カメラをもちいた膵がんの早期発見~早期膵がん発見可能にする診断法の開発~ | 鳥取大学医学部
膵臓がんについては、簡単に早期発見する高精度な検査法はありません。胃がんの健診のオプションとして、こうした検査が普及すれば、早期発見・早期治療につながりますので、できるだけ早く実用化されることが切望されます。
(2025.02.22)