令和7(2025)年11月29日(土)、今年最後の「膵臓がん患者と家族の集い」が大田区立消費者生活センターにて53名の参加者により開催されました。第一部は日本ハイパーサーミア学会の古倉聡理事長(京都先端科学大学教授)による「ハイパーサーミアは、どのようなメカニズムで癌治療に効くのか? 特に膵臓癌に対する治療成績」というテーマでの講演をいただきました。第二部では参加者同士の交流会(意見交換会)が行われました。
第一部(講演)
ハイパーサーミアは、がん組織は熱に弱い(がん細胞は42.2~42.5℃で死滅する)という特徴を利用した治療法であり、併用することで抗がん剤治療や放射線治療の効果をより高めることができるというお話を、データや画像を使って説明いただきました。参加者にとっては大きな希望を持つことができる内容で、講演後もそれぞれの治療に取り入れることができないかと質問の輪ができていました。ハイパーサーミアはいろいろな施設で行われているようですが、ハイパーサーミア学会会員の医師のいる施設がよいのではないかとのお話がありました。
【講演動画URL:https://www.youtube.com/watch?v=m6A9IRfdWJs】
※ 現在調整中のため、視聴まで今しばらくお待ちください。
第二部(交流会)
前半は最初に座ったステージごとの席で自己紹介や治療状況についての意見交換が行われ、後半は治療戦略、副作用対策、補完代替療法など興味のあるテーマの席に移動しての交流会。参加者同士この人に話を聞きたいという人と直接お話しすることのできる時間も設けられました。治療の方法や仕事のこと、子供さんのことなど、お互いの切実な状況を共有し涙しながらお話しされている方もおられました。
この集いが普段の生活では周りの人たちになかなか理解してもらえない悩みや苦しみを共感し合える場であり、ご自身の病気との向き合いに新しい窓を見つける場にもなっていることを感じました。
(2025.12.03)